ツアー通算14勝を誇る有村は2022年末から妊活のためツアー休養を発表。4月に双子の男児を出産し、現在は子育てに奮闘している。

「4月に無事出産しまして、双子の赤ちゃんを現役で育てております」と集まったファンの前で報告すると、会場は大きな拍手に包まれた。子育てについて聞かれると「楽しいですね。可愛くて仕方ないです」と照れながら笑顔を見せた。

今月11日にはマカオで産後初、1年ぶりにゴルフをしたことをSNSでも明かしていたが、ラウンドするにあたり、「出産前のセッティングでちょっと打ってみたら重くて打てなかった」ため、試打用「INPRES」のセットをヤマハから急きょ送ってもらったという。「プロゴルファーとして90は打っちゃいけないな」。不安を抱えて臨んだが、結果は前半40、後半36の「76」。1年のブランクを感じさせないスコアでホールアウトした。これには自身も「ちょっとイケるかな」とツアー復帰に向けて前向きな気持ちで終えることができた。

新しくなった『インプレス ドライブスター』を打ってみて、「軽く振っただけで気持ちよく飛ぶ。しっかりとフェース面に乗って、球が強い」と高く評価する。「飛距離が落ちてるどころか伸びたんじゃない？」と同伴競技者に言われるほどの飛びに自身も驚がくした。さらに、今まで求めてきた“コントロール性”もあり、「すぐ現役に戻れるかもっていう錯覚をもらいました」と想像を超える性能を絶賛。産後で衰えた筋力と柔軟性を感じさせないショットを可能にする1本に「これはかなり大きな武器になる。このクラブがあったらいけるんじゃないですか」とツアー復帰にも前を向く。今後はテストを重ね、調整を進める予定だ。

年内は子育てに専念し、ツアー復帰は来年の春先を考える。産休制度を利用し、復帰後にQTを受けなかった場合、推薦で8試合までの出場が可能となる。「推薦をいただける試合に出られたらいいな」と3月の「ヤマハレディースオープン葛城」や地元・熊本開催の「KKT杯バンテリンレディス」などゆかりある地での試合出場を見据える。

この日のトークショーは20分。その理由は「帰って子供をお風呂に入れなきゃいけなくて…」とすっかりママだ。「夫ひとりだとかわいそうなので、すいません」とファンに頭をさげながら会場をあとにした。